SHARE

「ハロウィーン」=バカ騒ぎするイベントではない。
新しいハロウィーンを提案

新型コロナウイルス感染拡大前、ハロウィーンの時期には多くの人々が渋谷に集まり、騒いでしまうことが課題になっていました。2020年、コロナ禍で迎えた初めてのハロウィーンでは、渋谷区長より来街自粛のお願いとともに、その代替案として公認メタバース空間「バーチャル渋谷」内でのハロウィーンイベントを開催。

そのような経緯のなか、2021年は、街に貢献するような社会意義を持ったイベントに進化させることを目指し、イベントテーマを「FUN FOR GOOD」に設定しました。このイベントの収益一部を渋谷の街に還元する座組みをつくりだし、楽しむことで渋谷の街へ貢献できるイベントを目指すことになりました。

このプロジェクトでのPRの役割は「イベントテーマを体現するコンテンツの創出」です。

渋谷の街を舞台に活躍している「Z世代の若者たち」も巻き込み、彼ら自身が考える渋谷ハロウィーンへの想いをPRコンテンツ化。また、彼らの象徴的な存在として社会貢献活動をしているタレントアンバサダー起用を提案しました。

ハロウィーン期間中は、メタバース空間「バーチャル渋谷」内でのイベントに加え、ハロウィーンをテーマにした配信トークライブなども企画。渋谷ハロウィーンの目指す価値やあり方についての発信を通じて、渋谷ハロウィーンが生まれ変わる姿勢を伝えていきました。

ファクトに注目した文脈を設計し、メタバース分野の先駆的ポジションを確立

2021年10月、Facebook社がメタバース事業への参入にあたり、社名変更を発表したことを契機に、日本のマスメディアでも「メタバース」への注目度が急上昇しました。この世の中の変化を受け、“バーチャル渋谷および渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトがメタバースの先駆的存在である”という文脈でメディアを介した発信を目指す活動もスタートしました。

渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトでは、どの事業者よりも早く、自治体公認のメタバース空間をローンチし、複数回イベントを開催していたため、空間内ですでに「経済圏・生活圏」が生まれていました。これをファクト=バーチャル渋谷だからこそのアピールポイント としての発信の軸に据えました。

その象徴的な取り組みの1つとして、過去のイベント開催時の学びを生かし、メタバースイベント専任の公式スタッフの募集が行われていました。この取り組みを「メタバース雇用」というPR文脈に設定し、メディアの取材機会を設けながら、“ハンデや居住地域にとらわれない新しい働き方”というテーマで、大々的にマスメディアでも紹介されました。「バーチャル渋谷」内で雇用という経済圏が成立とともに、メタバースが持つ可能性について露出され、他社メタバース空間にはない差別化につながる内容となりました。

メタバースとPRの親和性、そして今後の可能性

最後に、この記事で紹介はできなかったですが、今回のハロウィーンイベントでは、人気アニメやアーティストを起用したメタバースイベントも開催され、彼らのファンも巻き込むことで、多くの方々に参加していただきました。

参加者からの声は、PRコミュニケーションを考える上でとても貴重です。メタバース空間でのイベントは、リアルイベントの代替ではなく、リアルでは実現不可能な特別な体験価値を生活者に提供できる可能性に溢れています。PR視点を盛り込んだメタバースイベントを軸に設計することで、企業と生活者のコミュニケーションをよりリッチにできると考えています。

あらゆるメディアで紹介され、多くのソーシャルボイスも生まれ、「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021」は約55万人が参加する大盛況イベントとなりました。

メタバースとPRの親和性と可能性を体現する事例として松田からご紹介させていただきました。

株式会社プラチナム
PRコンサルタント  松田