洗剤・柔軟剤ブランドのリブランディングで15万人の共感人口を生み出したリブランディングの舞台裏を紹介します。
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2022.12.21 / Case Study
2017年に発売開始をした「ファーファ ココロ」は、「仕事やデート、友だちとのおでかけなど、外での活動に関心が強いぶん、家事はなるべくシンプルにしたい」という、特に20代後半〜30代の女性に向けた洗剤・柔軟剤ブランドです。発売から5年間は特徴的なパッケージを“暮らしやインテリアに馴染むランドリーシリーズ”として表現(上図)し、デザイン性を中心に据えた訴求をしてきました。
ただ、市場も変化し、デザイン性を訴求するブランドが増え、それに対する生活者の目も肥えてきたため、新規トライアルのハードルが高い状況を迎えました。
このような課題を背景に、プラチナムから、デザイン性に頼らないココロのタグライン(ありたい姿)の再構築と、それを多くの人に伝えるためのアクティベーション、との両軸でリブランディングを推進していく方針をご提案しました。
まずは、根本にあるブランドのありたい姿を再構築すべく、タグラインの設計に取り掛かりました。
タグラインとはサービスやブランドがどんな価値を提供するのか、その覚悟を表す短い宣言文です。社内外問わず、ブランドの全ての選択の”羅針盤”となります。
タグラインを検討するにあたり、意識したのは“共創”というスタイルです。ご提供いただいた情報をもとにプラチナムから一方的にタグラインを提案をするのではなく、ファーファ社員のみなさんと一緒に考えることを大切にし、みんなが納得したうえで導き出していくことが大切だと考えました。
“共創”してタグラインを設計するために用いたのが「LEGO® SERIOUS PLAY®」(通称レゴセッション)という手法です。タグラインを設計するための材料集めや方向性の擦り合わせを“視覚的”にすることに意味があります。このセッションを踏まえて最終的なタグラインへと言語化していきます。
レゴセッションは以下の流れで実施しました。
まず、以下①~③をそれぞれ参加者がイメージ
①「ファーファ ココロ」が現在提供している価値
②空想した2030年のライフスタイルシーン
③2030年に「ファーファ ココロ」が目指したい姿
そして、①②③でイメージしたものを1人1人がレゴで表現します。完成したレゴを、ポストイットに3単語でキーワード化。他の参加者へ説明します。最終的に、複数人から挙がった類似キーワードをピックアップし、タグラインの方向性を決めていきました。
参加した社員の方々の発表から共通項目を見出し、セッションを通じて「お洗たくという生活の一部である行為を通じて、人々の個性に寄り添い、その先の人とのつながりのきっかけになっていく」というブランドのありたい姿の方向性を確認できました。
この方向性から…
「あらう、あらわれる。」
という新しいタグラインが完成。
タグラインには「洗うことで、その服を選んだときの自分らしさが現れ、ありのままの好きな自分で人の前に現れることで、さらにその個性をシェアしていく」という想いが込められました。このタグラインをもとに、パッケージやロゴなどもリニューアルされることになり、リブランディング製品の設計はより加速していきます。
次に決定したタグライン「あらう、あらわれる」を、商品の機能的価値(おしゃれ着も含め、自分のお気に入りの衣類を良い状態でキープできる)と照らし合わせながら、「衣類を購入する~何度も洗う・着る」というシーンごとに分解。
本ブランドを使うことで、各シーンで”生活者がどういう状態になることが理想か”を考え、最終的にリブランディングの方向性は以下のように設定しました(※下図参照)
「洗うことで衣類の質とともに、その服を身にまとったときの自分の個性も一緒に取り戻し、これまでと 変わらずにいたい自分の部分を、そのまま続けていっていいんだよ」と心に寄り添うリブランディング
上記のリブランディングの方向性では、生活の中で複数のシーンや気持ちが出現するため、HOW(手法)の部分では、それをより自然な形で繊細に表現したり、より多くの人に共感してもらうためのコンテンツが必要でした。これらを踏まえて着目したのが、イラストによりブランドストーリーを伝えていく「漫画」です。
コンセプチュアルで理解するのに時間のかかるこのタグラインを、漫画を通して画とストーリーに落とし込み、読者に触れていただくことで、自然にブランド体験を伝えられるメリットがあります。
漫画制作にあたっては、SNS上で影響力があり、細かい心理描写なども得意としている漫画家2名を起用。それぞれの漫画家に「服」をテーマにより多くの人に「あらう、あらわれる。」を自分ゴト化してもらえるよう以下のように異なる設定で物語を描いていただきました。
漫画は、このような読み物コンテンツとの相性のいいプラットフォーム「note」にて公開しました。noteの「ファーファ ココロ」公式アカウントでは、2人の漫画家による、制作の裏側エピソードや、ブランド担当者や研究・開発担当者のインタビュー記事も合わせて公開しています。より深くブランドに共感してもらうコンテンツも用意しました。
多くの共感を得て「ファーファ ココロ」はまた新しい一歩をスタートさせています。
株式会社プラチナム 金