プラチナムのZ世代研究所から、今回は「Z世代」をテーマにPR視点で深掘っていきたいと思います。
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2023.10.11 / Trend Report
SNSの普及により多様な価値観に触れる機会が増え、価値観の多様化が認められる時代へと変化してきました。2021年には、新語・流行語大賞をきっかけに、ここ2~3年で聞き馴染みのある言葉になった「Z世代」。メディアやSNSでも多くこのワードが使われるようになり、多くの企業が次の消費を担う世代として注目を集めています。
社内で「Z世代をターゲットにしたい」「Z世代向けの新商品がある」などの施策を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。いまや企業のほとんどがZ世代対策として、SNSアカウントの開設やZ世代訴求商品の開発を進める中、Z世代という言葉だけが独り歩きしてしまうケースも少なくないかと思います。
「Z世代ってナニモノ!?」「彼らに刺さるモノって?」今回のブログではそんな”Z世代”についてPR視点から紐解いていきます。
(大前提として、価値観が多様化する今の時代、考え方は十人十色です。そのため今回お伝えする内容は、筆者自身の価値観と考えて読んでいただけると幸いです)
突然ですが、質問です。
全Z世代を100%誰でも好きな施策を考えてみて下さい。
いくつかZ世代向け施策が思いつくかと思いますが、すべてのZ世代が誰しもみんな揃って好きというものは考えにくいのではないでしょうか。Z世代はそれぞれの個性があり、一言で括りづらく、いい意味で複雑です。
Z世代は潜在的に、自分がどう感じるかという「ジブン軸」を大切にします。しかし、その感性は人それぞれ。
「みんなが買ってるから私も!!」よりも
「あの子は買ってるけど、自分は本当に欲しい?」
「私はこれがイケてると思う!」
「僕ならこうするかな!」
とジブン軸で判断しています。つまり「彼らが承認(認知)した世界こそが彼らのすべてであり正解」です。Z世代向けの施策では大前提として、以下のような捉えられ方(読後感)が必要になってきます。
ジブン軸とかけ離れた一般的な企業発信のコミュニケーションは、いわば「他者軸」。Z世代は潜在的に排除してしまいます。巷でいわれている「CMや広告は飛ばす」「PR投稿は見られていない」もこれに付随するものといえます。
逆の発想で、企業発信の場合でも、Z世代を上手く理解できてさえいれば、彼ら自身にジブン軸化させることができます。正解がないZ世代を知るうえで、大切なポイントは
だれか(Other)コミュニティではなく
私たち(We)コミュニティであるという
他人事ではなく、ジブン事させること。
UGC視点を上手く活用することが、Z世代コミュニケーションの成功につながります。
UGCとは、User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の略で、企業側ではなく消費者であるユーザーによって制作・発信されるコンテンツを指します。いわゆる、ユーザー自身が自発的に発信するコンテンツのことです。
UGCを起点にし、コミュニケーション設計をすることにより、Z世代が好むジブン軸や自分ゴト化を補うことになり、企業が発信したい情報までを違和感なく届けることができるようになります。
ポイントになるのが「熱量」「余白&オリジナリティ」「違和感」です。例を1つ挙げてみたいと思います。
皆さんも耳に胼胝ができるくらい聞いたであろう「推し活」。これもUGC視点が活かし、UGCの特徴の一つである”熱量”が活かされた現象だと考えています。
タイトルなし
www.at-s.com
若年層を起点に幅広い世代に広がっているといわれ、今やZ世代を語るうえで欠かせないエッセンスの一つですが、最近では、アニメやアイドル等応援している人物だけではなく、熱意を持って取り組んでいることは全て当てはまるほど、幅や概念を広げています。
推し活の事例では、”好き”な事に対する「熱量」にが彼らを動かし、UGCや消費傾向へと広がっていきました。
その他に、TikTokの自作フィルターも例としてあげられます。こちらは、UGCのもう1つの特徴である
「余白&オリジナリティ」を軸にUGCが広がるコンテンツです。誰かが作ったフォーマット(フィルター)に自分なりのアレンジや色を加えることによってオリジナリティ溢れたジブンにしかないコンテンツを創作できます。
そこには、写真を選択するだけで出来てしまうようなあり物なフォーマットは存在せず、あえて未完成な余白部分を残すことにより、1章で話したような形で「他者コミュニティ」が「私たちコミュニティ」に変わり、Z世代が受け入れやすいコンテンツに変化します。
TikTok、誰でも気軽にエフェクトが作成できる「Effect House」の公開ベータ版の運用を開始!
prtimes.jp
実際に2022年4月からBytedance社は「誰でもエフェクトを作れる」サービス”Effect House”を展開し、今も様々な人が自分のオリジナリティを活かしコンテンツフォーマットを作成しています。
さらに、2023年7月には、サービスを更に発展させ『推し活×TikTokフィルター』のような掛け算もみられます。
その他にもUGCに関するポイントはありますが、1つ1つにバラバラだった感性も、UGCを起点にしジブン軸という少しのエッセンスを加えることによりやがてそれは一種の”マス(マジョリティ)として、捉えられるようになります。
Z世代にとって、”UGC”とはもはや誰かの投稿であり、自分自身でもあり、世の中で起こってることでもあり、彼らの明日の姿だと考えています。
実はUGCはPR視点との掛け合わせにより、サウナでいう「ととのった」状態になれると考えています。
PR視点 「ヒトを動かす論理的な戦略」=左脳
UGC 「ヒトが動く感覚的な動機」=右脳
つまりまとめると、
PR戦略:世の中や生活者視点から価値を発見し、そこに丁寧にロジック設計を組み立てる
UGC拡散 :それを感覚的な訴えらえれるUGC
と掛け合わせることにより、より効果的かつ、自然なストーリーをつくり出すことができます。
「PR×UGC」が、Z世代が7秒で恋に落ちる魔法のコミュニケーションなんです。
価値観は多様化しています。コミュニケーションの方法もさまざまで、それぞれの長所短所があります。弊社にも色濃いZ世代PRパーソンが多数在籍していますので、お気軽にお声掛けください!
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