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長年展開されている商品やサービスは、認知はある中で利用者を拡大していくコミュニケーションが必要になりますが、新商品では無い中でPR施策を模索することも多いかと思います。初回となる今回は、発売から150年以上、世界195ヵ国以上、25ヵ国の言語で販売されているマキルヘニー社の伝統的な調味料TABASCO®ソースの事例をもとに、ずっと変わらないブランドや商品価値と、時代とともに変わり続ける楽しみ方の理解促進を図り、利用者拡大に繋げていくコミュニケーション施策をご紹介します。
今後の皆様のコミュニケーション活動のご参考になれば幸いです。

プラチナムが手がける最新PR事例をご紹介
発売から150年以上 マキルヘニー社のホットソース「TABASCO®ソース」

#PR事例 #コラボ #食品 #小売り

TABASCO®ソースは、料理の風味をより豊かにするために、1868年にアメリカ・ルイジアナ州エイブリー島でマキルヘニー家によって開発された伝統的なペパーソースです。日本が最大の輸出国で、日本での認知度はほぼ100%の辛味調味料ですが、使用イメージは他国と比べても限定的でピザ・パスタがほとんどです。しかし、実はレッドペパー、お酢、塩の3つの原材料しか使っておらず、料理に辛味を加えるだけではなく、素材の味を引き出すことができる「様々な料理に使用できる万能調味料」です。TABASCO®ソースの日本での利用シーンを広げ、利用者を「辛いもの好き」以外にも広げるためのコミュニケーションとして、「万能調味料」というパーセプションを獲得することを目的に、食業界の様々な方を巻き込んで新たな価値を共創する施策を大きく3つ展開してきました。 

1.人気レストランとのコラボレーションメニューによる「斬新な食体験の提供」

TABASCO®ソースのコミュニケーションのコアターゲットであるミレニアル世代・Z世代に対して、これまでの固定された使用イメージを刷新し、万能性やブランドがもたらす食の楽しさを訴求するために、ターゲット層に人気のレストランとのリレーション構築を行っています。定期的にレストランの方々とコミュニケーションを取り、TABASCO®ソースのサンプル提供や新しい使い方を知ってもらう活動、キャンペーンのタイミングでは活動に賛同いただいたレストランとコラボレーションし、そのときの切り口に沿ったTABASCO®ソースを使った意外な組み合わせの期間限定メニューを展開しています。

昨年のキャンペーンは、コロナ禍で失われた夏の風物詩の気分をおうちでも楽しめる「TABASCO®祭り」を実施し、都内4店舗のレストランとのコラボレーションを通じて、TABASCO®ソースとクリームチーズを使ったたい焼きや、TABASCO®ソースとサルサソースをかけるたこ焼きなど、おなじみの屋台フードの新しい楽しみ方を期間限定メニューとして提供しました。PR活動として、このような新しい消費者体験の創出の他、ブランドと各店舗様のSNSを通じた情報発信や、メディア招致・取材による情報拡散、また、限定メニューと一緒にTABASCO®ソースやキャンペーングッズをプレゼントし、ブランドの世界観を伝えると同時に来店促進も図っています。

レストランの方々にTABASCO®ソースに関する正しい情報を伝えていくことによって、意外と使いやすい調味料である気づきに繋がり、料理のプロフェッショナルが考案するおいしい組み合わせ(新しい価値)を体験として提供することができます。また、組むお店やメニューの「意外性」によって、今までリーチできていなかったターゲット層にも興味関心を持ってもらうことや、消費体験を通じて好きになってもらうきっかけになります。

2.インフルエンサーとのレシピの共同開発による「様々な日常への取り入れ方の提案」

レストランコラボレーションは展開エリアや期間が限定されるため、TABASCO®ソースが多様なシーンで活躍する便利アイテムであることを訴求するために、様々なジャンルのエキスパートとのリレーション構築を通じて、TABASCO®ソースの提供や簡単レシピの開発を行っています。

SNSでアウトドアの魅力を発信しているインフルエンサーがおすすめするTABASCO®ソースを使ったキャンプ飯や、料理をする時間がない時におすすめの簡単コンビニかけ合わせグルメ、コロナ禍でもおうちで旅行気分を楽しめるご当地おつまみレシピ、普段使いきれず余りやすい食材を活用したアレンジ料理など、「季節性」・「時事性」と「意外性」を掛け合わせた様々なレシピを展開しています。ブランドやインフルエンサーのSNSを通じて消費者に直接料理のインスピレーションを提供したり、プレスリリースを通じてメディアに情報を提供し記事化を通じて使い方訴求を行っています。

それぞれのフィールドにおいてプロフェッショナルのインフルエンサーの方々に協力いただくことで、これまでなかった視点からレシピを開発することができ、新しい価値の共創に繋がります。

3.TABASCO®ブランドファンのエンゲージメントによる「ブランド価値や世界観の発信」

TABASCO®ブランドはファンをとても大切にしているブランドだからこそ、150年以上変わらず、世界中で愛されてきました。日本でも熱狂的なファンを見つけ出し、継続的にコミュニケーションを取っていく活動を行っています。例えば、TABASCO®ブランド好きを公言している方々に、もっとTABASCO®ソースについて知ってもらい、もっと好きになってもらえるように、その方の名前入りの限定ボトルや、TABASCO®ソースの新しい楽しみ方を体験できるキット、季節に合わせたブランドグッズなど、様々なプレゼントをお送りしています。

「共創型PR」によるブランドの新たなパーセプション形成

150年前から続く商品であっても、商品の持つ「変わらない価値」を追求し、時代やトレンドごとの「変わり続ける楽しみ方」を掛け合わせることで、ファンや第三者に愛される新しい価値を共創していくことができます。

TABASCO®ソースの事例では、メディア以外にも、レストランやシェフ、インフルエンサーにタレント、そして一般のブランドファンなど、様々な方々と一緒にブランドを創り、発信する活動をご紹介しました。 このように皆さまが普段担当されているブランドやサービスにおいても、一緒にブランドを育ててくれているファンや共感者を改めて発掘し、時代やトレンドに応じたブランドの魅力を再発見し続け、世の中に拡げていくことで、また新たなファンや楽しみ方と出会えるかもしれません。

株式会社プラチナム
グローバルコミュニケーション局 マネージャー 納
バイリンガル(日・英)のPRコンサルタントとして、国内外の幅広い外資系企業のPRを担当。海外クライアントの商品・サービスローンチや日本における継続的なコミュニケーション、および日本のクライアントの海外に向けたコミュニケーションのサポートを提供。